観光庁「訪日外国人消費動向調査」が発表されました。

先日、第3四半期観光庁「訪日外国人消費動向調査」が発表されました。

それによると、2015年第3四半期の訪日外国人一人当たりの旅行支出は187,165円で前年同期18.3%増、また、訪日外国人全体の旅行消費総額が1兆0009億円と、前年同期81.8%の大幅増に加え、一四半期で初めて1兆円を突破したという発表でした。

中国人観光客一人当たりの消費金額は主要各国トップであるのに加え、前年同期比112.4%増と全体を大きく上回る伸び率であり、やはり消費意欲旺盛な中国人観光客の爆買いがインバウンド消費を支えているといえます。

しかし、中国人の海外旅行消費行動をグローバルで見た時には、ちょっと違う傾向です。

今年11月末に中国国家外汇管理局が「中国货物和服务贸易」を発表しました。その中に「海外旅行支出額」という項目があります。

海外旅行支出額(億元)
海外旅行支出額

上記グラフのデータは、中国人全体で海外旅行に使った総額を示しています。これを見ると、中国人が海外旅行に使う金額は、2015年8月をピークに以降低下しています。下降が始まってまだ3ヶ月のトレンドですからこの後のウォッチも必要ですが、中国人の海外旅行消費価値観になんらかの変化が訪れているという仮説が成り立つかもしれません。

昨今の日本の好調な爆買いを支える要因は、大きく2つです。一つ目は、日本が中国からの距離が近く、パッケージ旅行費用が安いため買い物にまわせるお金が相対的に大きくなること(距離的要因)、二つ目は、ドルに対しても元に対しても円が弱く、同じブランド品や贅沢品を買うとしても、日本で買う方がお得感がいっそう感じられること(為替要因)です。

一方で、12月7日にビックカメラが中国家電量販大手国美電器と業務提携し、中国向け境ECを開始すると発表したように、日本製品を扱う越境ECもにわかに台頭してきています。

越境ECが活性化すれば、中国の内外価格差は今より大きくなることはないでしょう。つまり、日本に来てまで買うお得感はどんどん薄れていくことになります。

越境ECでは何を買ってもらうのか、あるいは日本に来て買って欲しいものは何なのか、を戦略的に考えるタイミングに来ているのかもしれません。