新しい新宿バスターミナルの「バスタ新宿」という命名に疑問

4月4日、新宿駅直結の国内最大規模のバスターミナルがオープンします。今まで新宿周辺に点在していたバスターミナルを再編成し、もともと訪日外国人にとっても人気のあった新宿という街を国内旅行のハブにするという構想は、観光立国に向けても非常に有意義なプロジェクトでした。

しかし、一般公募で決定したという愛称「バスタ新宿」という名称については、インバウンドの視点から見るとちょっと残念な名称でした。

国土交通省からの発表資料による命名理由は下記になります。

  • 誰にでも覚えやすく、なるべく短く、かつ明るいネーミング。
    直感的にバスターミナルを理解できる。
  • バスがスター(星)のように各地に放射する。
  • Bus&Taxicab Terminalの略。

全くもって合理的な理由です。

しかし、この名称を聞いてまず思ったのが、
中国語や英語でどう表記するのか?
外国人にはどう呼んでもらいたいのか?
という疑問でした。

つまり、一番利用してもらいたい外国人にとっても分かりやすいのか?
という視点が抜けているのです。

昨今「国会前」という信号の英文を「Kokkai」から「The National Diet」に変更するというニュースもありましたが、外国人にとって地名や施設名というのは旅行のしやすさにおいては非常に重要な要素です。

一方、観光資源としてのマーケティング活動の視点でも呼称は重要です。
東京スカイツリーは、もはや誰も「新東京タワー」とは呼んでないですし、こういった独自名称のもとにマーケティングを行ったのが商業・娯楽施設としての成功の一端であったと思います。中国語でも「東京晴空塔」と表記され、その建物の固有性を以って表記できます。(Tokyo Sky Treeという名称から「東京天空樹」と言われる場合もありますが)

さらに、北京在住の経験からいうと、北京オリンピックで注目を浴びた鳥の巣(Birds Nest)は、今でも中国人も外国人も正式名称の「国家体育場」とは呼んでいない意味では、そのネーミングセンスは秀逸だったと思います。

今回の「バスタ新宿」は、多言語でのインフォメーションセンターの開設など、外国人旅行者にとっての利便性を考慮して設計されていただけに、その名称では残念と言わざるを得ませんでした。