団体旅行のさらなる地方化の流れ

少し前の話ですが、4月から、七友のオフィスを上野に移しました。

以前は東京の中でも混沌としたイメージの上野はあまり好きな場所ではありませんでした。上京組によくありがちな、東京の山手線の東側は、よく知りもしないのに好きでない、というパターンでした。

しかし、中国北京で6年過ごして東京に戻って来た後は、東京の中でも「江戸」の雰囲気が残る上野や、日暮里、根津、などの下町エリアに魅力を感じるようになりました。そんな心境の変化もあって、ちょうど恩賜公園の桜が開き始めるタイミングで上野に引っ越してきました。

この地を選んだのにはもう一つ理由があります。
ご存知の方も多いと思いますが、上野は東京のターミナル駅の中でも外国人がとても多いエリアです。輸入食材や雑貨の店も多いので、外国人観光客だけでなく、在日外国人も多くやってきます。その人種もまた実に多様で、アジア系、アフリカ系、インド系、ヨーロッパ系と世界中のあらゆる国地域の人が集まっている場所です。

外国人観光客は当然中国人も多いのですが、気付くことがあります。聞こえてくる中国語は、中国の標準語である「普通語」だけではないのです。広東語、上海語、四川語、モンゴル語などが混じっていて、ずいぶん中国のいろいろな地域の方が来ていることがわかります。そして、爆買いツアーと呼ばれる団体バスから降りてくる中国人はたいてい普通語でないことが多いです。

2年ほど前、銀座に大型観光バスが来始めた頃聞こえてきたのは普通語がほとんどでした。それが今や、ガイドもツアー参加者も地方語を話している。こういう背景には幾つかのことが推測されます。

  1. 地方でも海外旅行に行ける人々がどんどん増えている。
    今や年間1億人が中国から海外へ旅行に出かけますからこれは当然のトレンドです。
  2. ガイドも旅行者も地方語を話すのを見ると、中国の地方発日本行きの団体旅行が販売、人気を博している。つまり、かなり地方にも旅行代理店が開業している。
    先日内モンゴル人の方と話す機会があったのですが、人口30万人の故郷に初めて旅行代理店が開業して儲かっているという話もありました。地元発着の商品ができればその地域からの海外旅行ニーズはゼロから一気に立ち上がります。今中国の地方では旅行代理店開業ブームだそうです。
  3. 海外旅行に行く高齢者が増えている。
    2.とも関連があるのですが、地元発着の団体旅行商品ができ、海外旅行に不慣れな高齢者でも安心して参加できるようになっています。

つまり、「団体旅行のさらなる地方化の流れ」が加速しているということです。
しかし、こうした中国の地方発の団体旅行商品の参加者は初めての海外旅行であることが多く、ゆえに粗悪な日本旅行商品を買わされる場合があることも報道されている通りです。

次回はFIT旅行者のニーズを考えてみたいと思います。